こんにちは!
夏ワタル(@summering26)です。
普段は会社員として働きながら副業でイラストレーターをやっているのですが、
今回は僕が参加している音楽サークルにてジャケットデザインをさせていただいたので、その制作裏話的な話をしてみたいと思います。
参加しているのは「和一閃」というサークルでして、様々な経歴のコンポーザーの方が参加されています。
「和一閃」とは?
「和一閃」は複数人の作曲者が集まって制作しているコンピレーションアルバムです。
「和一閃」を一つのシリーズという形で「和二閃」「和三閃」と新作を発表していく予定です。
本シリーズでは和風インスト楽曲を制作しており、様々な和風ジャンルの楽曲を作っています。
▼こちらが公式サイトです。
僕はジャケットやサイトなどのデザイン面で関わってまして、主催のToma(@TomoSakura010)さんは僕の同期でもあります。
彼は普段から作曲や編曲をされており、本職も音楽に関わる仕事をしている人です。
ひょんなことから繋がり、彼の自主制作アルバムのジャケット・デザインに協力したことがきっかけで「和一閃」シリーズのジャケ写も僕が担当することになりました。(本当はジャケットだけじゃなくて色々と口だしてますw)
サークルでは毎年春と秋に行われる音楽イベント「M3」に参加していまして、オリジナルCDの販売等をしています。
今回は2020年3月1日に開催された「M3春」にて、発売予定だったアルバム「和二閃」のジャケットデザインについての裏話です。
3月というとコロナショックが直撃した時期でして、感染予防の観点から参加は休止しましたが作品の方は完成しておりました。
制作に関して色々と苦労した部分が多かったので、ほとんどただの苦労話をつらつらと語る感じになってしまうかもしれませんw
アルバム「和二閃」のジャケットデザインを制作
▲今回制作した「和二閃」のジャケットがこちら。
「和一閃」というシリーズの第2弾なので「和二閃」という名前にしたそうですw
アルバムのコンセプトは「和風」と「インストゥルメンタル」ということ。
参加者それぞれの「和」のイメージで楽曲が制作されていまして、ジャケットは僕の中の「和のイメージ」で作りました。
実は和のイメージのイラストをまったく描いた経験がなくて、ほとんど見様見真似だったのですが、なんとか最低限は形にできたかなと思います。
とはいえ反省点もたくさんありましたし、クオリティーには納得いってません。
全部iPadで描いた
まずは一番苦労した点。
それはジャケットのイラストをすべてiPadのみで描いたという点です。
まじでiPadで描きました、超しんどかったです……。
使用ソフトはiPad版PhotoshopとCLIP STUDIO PAINT。
前からiPadでイラストを描いていたわけではなくて、このときは必要に迫られてiPadで描くしかなかったのです。
今ではiPadはそこそこ使いこなせていますが、初めて使ったばかりだったのでなかなか苦労した記憶があります。
何故iPadで描いたのか?
なぜわざわざiPadだけで描いたのか。
それはOSアップデートのせいで僕の使っていたMacがまともに動かなくなったからであります。
Macユーザーの皆さんは知っているかと思いますが、春先に新しいOScatalinaにアプデした途端にパソコン自体やドライバーの不具合が発覚。
それに加えてタブレットの故障が発覚したり、その他諸々のトラブルが続出したせいで、自宅の作業環境でイラスト制作ができなくなったのです。
苦肉の策で、前々から気になっていたiPadProを購入。
最初は死ぬほど描きにくくて、非常に疲れました。
しかし、持ち運び自由というiPadの利点を活かし、制作を進めて行きました。
様々な場所でジャケット制作。ノマドで楽しい日々。
入稿までの期限があまり残されていなかったことと、他の副業で忙しかったこともあり自宅での制作はほとんどしませんでした。
というかできませんでした。
いちいち自宅に帰ってからパソコンで描くわけにもいかなかったし出来なかったので、
iPadという武器だけで様々な場所でジャケットのイラストを描いていました。
会社の昼休みに近所のコンビニのイートインで。
はたまたマクドナルドやモスバーガーの一角で。
移動中やセミナーに出席しているときにもiPadをすぐ開いて資料を集めつつ作業を少しずつ進めていました。
仕事も忙しくまとまった時間が取れない社会人なので、どこでも気軽に製作に取りかかれるiPadはある意味とても便利でした。(ソフトが使いにくい、画面が小さいといったデメリットもあり)
僕は元々ノマド生活みたいなのに憧れがあったりするので、ノマドイラストレーターを疑似体験出来て楽しかった記憶があります。
しんどかったけど。
(でも結局自宅の机が一番作業はかどりました。特にファストフード店はうるさくて集中出来ない。)
ちなみに、セブンイレブンのWi-Fiは超絶速いのでおすすめです。家では遅いアップロード作業とかサクサク進むし、ダウンロードも爆速でした。
モスバーガーでも最近無料Wi-Fiが使えるようになっておりまして、通信速度もなかなか悪くない感じでした。
外作業したいみなさんにモスバーガーもおすすめです。店内キレイです。
(マクドナルドはちょっとガラが悪い人が多くておすすめしません。キレイでもないし。あとマズいし)
ジャケットのコンセプトは「春と楽譜」
ジャケットのコンセプトは「春と楽譜」でした。
元々M3春に出展予定だったので「春」をテーマに考えていました。
でもぶっちゃけ僕の中では「春」といえば桜くらいしか思いつきませんでしたw
ただ単に桜描くだけでもつまらないし、それだけではだめだなーと思っていました。
なのでまずは桜は桜でも「夜桜」にしてしっとりした雰囲気にしようと考え時間帯は夜に決定。
夜といえば満月でしょう。▶満月入れとこう(安直ですwベタなイメージのほうが伝わりやすいでしょ?)
その後に音楽的な要素を入れたいなと思い、色々と考えました。
その結果なんとなく思いついたのが「楽譜」
音楽には楽譜がつきものですよね?
それならその楽譜を暗にイメージした構成にすれば、観る人になんとなく音楽っぽさが伝わるかなと考えました。
たただ楽譜のように横に長い構図でもつまらないので少しパースの変化をつけた構図に。
屋内から外を観ている設定です。
外を飛んでいく灯籠はより沢山の人に楽曲が届けば良いなという願いも込めているのですが、これは実は楽譜中の音符を表しています。
鮮やかな色がついた灯籠を模した音符が音として飛んでいく。そんな雰囲気。
また、楽譜というと基本的には五線譜ですよね。
画面右側に配置してある五重の塔は五線譜を表していて、手前の柵は楽譜の横に長いイメージを補助的に表現しています。
桜で「春」を。
画面全体で「楽譜」を。
そんな感じのジャケットデザインにしてみました。
まあ見る人はそんなこと全然気づかないとは思うんですが笑
反省点も多かったジャケット制作
なんとか入稿ギリギリまでは間に合ったものの、今回のジャケット制作には反省点が多くありました。
スケジュール管理がうまく出来ていなかった
本来であれば一ヶ月前にはジャケットが完成しているくらいでちょうど良いとは思うのですが、結果的にはギリギリになってしまいました。
パソコンのトラブルも原因でしたが、スケジュール感がつかめずに余裕を持って制作出来なかったので、やりたかったことをすべて出来たとは言えませんでした。
本職が忙しいせいもありますが……。(言い訳)
二つ目はクオリティー
お世辞にも自分の中で高クオリティーかといわれたら微妙です。
自分の技術不足、能力不足もあるのですが最大の要因は知識不足かなと。
そもそも和風の背景を描いたこと自体がほとんどなくて、初挑戦に近いので建築の知識もなくずっと手探りでした。
桜を描いたのも初めてで、描き方も何も知らないままなんとか勢いで終わらせた感じです笑
雰囲気でごまかせたらもうそれで良いかなと思うくらい追い詰められてましたw
メイキングを撮っておかなかった
前回の「和一閃」ではジャケットのメイキング動画を撮っていたのですが、今回はiPadを使用していたこともあり、撮れず。
動画を宣伝に使えなくて、マーケティングが上手く出来ませんでした。
結果的には参加中止になったのであんまり変わらないんですけどね。
次回はiPadでメイキング撮りたいな〜。
音楽が作れない自分にできること
サークル「和一閃」に何故自分が参加しているかについても。
僕は元々音楽が好きな人間でして、ピアノとギターをたまに弾いたりライブに通ったりをよくしています。
中高生の頃はコンポーザーとかミュージシャンになりたいなーと漠然と思っていたのですが、自分の音楽の才能の無さに気づき早々に諦めました笑
それでも音楽好きなのは変わらず、今も沢山音楽を聴きますし、暇があればライブに行く日々。
(コロナ自粛でライブ行けなくてものすごいストレスです)
そんな中自分のできること(=デザイン)で音楽サークルに誘ってもらえたので、
それならば自分にできることで最大限協力したいなと思ったことがきっかけで参加することにしました。
普段から思っていたのですが、音楽は聴かないことには頭に入ってこないんですよね。
しかし即売会等のイベントで一番最初に来場者が観るのはジャケットなんですよね。
折角素晴らしい音楽を作っていたとしても、ジャケットが適当だったりしょぼかったりするとお客さんは手にとってくれすらしない……。
聴かれない音楽なんて無いのと同じことだと僕は思うので、いかに手にとってもらって聴いてもらえるかが重要だと思うのです。
ビジュアル面であるジャケットに力を入れることで、手にとってもらえる可能性が増えるはず!!
そして誰かに聴かれることによって音楽は「生きた音楽」になります。
「音楽を作ることが出来ない自分にもそのきっかけを作ることが出来る!」
「音楽をちゃんと聴いてもらうための最初のきっかけづくりをしたい」
それがジャケット制作担当としてサークルに参加した理由です。
なにはともあれ聴いてみてほしい
ここまで長々と話してきましたが、僕が言えることはひとつです。
とりあえず聴いてみてほしいなということ。
ジャケットうんぬんかんぬんとか語りすぎました笑
アルバムのメインは結局の所その中身である楽曲なので、ジャケットのイラストなんておまけみたいなものです。
音楽も絵も好みはあるだろうし、人によっては大好きな傑作でも他の人にとっては大嫌いな駄作になりえます。
でも聴いてみて知ってみないことには始まらないと思いませんか?
良い楽曲に仕上がっていると思いますので、よければ聴いていただけると嬉しいです。
▼「和二閃」視聴動画
このアルバムは「M3秋」にて頒布予定です。
コロナによる世界経済への打撃でイベントが実際に行われるかはわかりませんが、音楽業界のためにも是非開催してほしいなと願っています。
まとめ
今回は僕の参加しているサークルのジャケット制作に関しての裏話でした。
普段はあまり背景とか描かないんですが(というか描けない)、今後は背景メインのイラストも描いていきたいと思っていますし、
イベントにも積極的に参加していきたいと考えてます。
ひとりで絵を描くことも、いろんな人と作品をつくるということもどちらもクリエイターには大事なことだと思いますし、
自分の業界にだけ引きこもっていても仕方ないので、今年はどんどんイベントにデザインで参加してみたいです。
それでは今回はこのへんで。