CG学習の一環で文教大学本郷キャンパスにて開催された「CGWORLDクリエイティブカンファレンス」に行ってきました。
今回はクリエイティブカンファレンスに実際に行ってきた際の感想とメモ書きを主に紹介しています。
実際にプロのクリエイターがどのように作品を作っているのかについてを、実例を元に見ることが出来ました。
どのソフトを使って、どういった手法で、どのくらいの時間をかけて作品を作っているのかについて事細かく知ることができ、とても良い経験になりました。
クリエイティブカンファレンスとは?
「CGWORLD 2019 クリエイティブカンファレンス」は、 ゲーム、映像、アニメ、建築ビジュアライゼーション、インタラクティブアートなど、 全てのCGアーティストのためのカンファレンスイベントです。(特設サイトより)
毎年恒例で開催している、CGアーティストのための勉強会イベントですね。
主に3Dを使ったクリエイティブな仕事をしている人達や、クリエイターを志す学生に向けて、普段はお目にかかれない業界の有名クリエイター達が様々な公演をし、交流会等も開かれています。
いよいよクリカン当日
僕はクリエイティブカンファレンスには今回が初参加なので、グーグルマップで調べてから行きました。
会場である文教大学本郷キャンパスへのアクセスはとても簡単で、
地下鉄南北線「東大前駅」2番出口から出てすぐの所に文教大学本郷キャンパスがあります。
僕が会場に訪れた時はまだ1時間程前だったので、割と空いてました。
さっと受付を済ませてから食堂に。 ここではボーンデジタルの書籍が20%割引で展示販売されておりました。
クリエイターといえども様々な職種に分かれていますので、ターゲットを絞って展示されており、 いくつか僕が持っている本も展示されてました。
12時を過ぎると徐々に混んでくる会場。
気づけば受付には長蛇の列が。
のんびりとしていたらあという間に1コマ目の時間になりましたので、仁愛ホールへ。
カケラスタジオさんの公演
最初に観させていただいた公演は「デザイン Tips&Tricks」
Kakela Studiosさんによる、3Dアーティスト初心者に向けての簡単な考え方等のをレクチャーしていただきました。
携帯に残っているざっくりとしたメモの内容をさっくりと備忘録として書いておきます。
アナトミーの道しるべ
ジェスチャーについて
まずは全体の絵をイメージして、流れる動きを意識していく
動きはシーカーブからシーカーブへ繋がっていく
ジェスチャーを意識したジェスチャードローイングという手法の練習法がおすすめとのこと(こちらはCGWORLDでも配信されているようです。)
スケッチではシーカーブがつながり、エスカーブになっている
これについては実際のスケッチで意識すると良いかもしれません。
重要なのは人間の体は骨、軟骨、筋肉、腱によって出来ており、直線はひとつもないという点。
次に骨格。
骨格の部分により筋肉の付き方によって変わる。
ASIS(解剖学について調べる時は英語がオススメとのこと) 腰の部分は骨が出ている、そこから下に向かって筋肉が出ている。
皮膚は服
動作によってシワが出来る
手首を曲げた時にシワができる。(コンプレッションホールドと呼ばれる)
よく曲がる部分には深くコンプレッションホールドが出来る様になり、
年齢を重ねると濃くなっていく部分がコンプレッションホールドとのこと。(手首や首のシワとかですね。)
コントラストを操作する
画像などは本質的に枠に制限された表現である。
ディスプレイは基本的に2D パースや空気遠近法で3Dに見えている。
shape 三角形は方向を意図出来る。
size 小さいサイズと大きいサイズを分けることによってスケール感を演出出来る。
北斎の絵に応用して見てみる部分が中々わかりやすかったです。
波の細かい部分は曲線で出来ており、より生物的(有機的) 波の部分にはディテールがあるが、空にはほとんどない。これによりシェイプのコントラストが出来る。
波の部分は寒色、船の部分は暖色と2つの色でコントラストを操作している。
船の部分に関しては直線っぽい雰囲気でかつ波の部分は曲線を多用。
これが北斎の絵におけるコントラストの操作であり、画作りのヒントになるだろうとのことでした。
さすが我らが北斎大先生はすべて緻密な計算の上で画作りをしているのですね。ここについては身近に知られた絵に関わる内容でしたので、非常に勉強になりました。
ハードサーフェスデザインを分解する ビジュアルウェイトを持たせられるような割合でデザインをする
最後のまとめ
作品作りをしていると学生にどんな機能を使っているか等の質問を受けることが多いらしいです。
しかしツールは特殊な物ではなくプラグインもあまり使わない手法で制作されているようで、ZbrushやMAYA、Photoshop等しかつかわないとのこと。
トリッキーな応用力が求められるような制作手法ではなく、
きちんと基礎的な部分をしっかりと意識して、作品作りをすると良い
基礎が出来ていないと応用的な物を生かせないし
機械も人間もリファレンスをしっかり見ることが重要らしいです。
人間のモデルを作り仕上げるときにはまつ毛や毛穴、色やメイクもしっかりとしているかどうかを考えてやる。
お二人の仰ってたことで印象に残っていたのが
「アートでは才能が要らないという研究結果もある」
「 自分で見て考えて、どれだけ実践出来るかにかかっている」
という言葉でした。
才能や環境を言い訳にせずに、地道に基本的なことを大事にして、コツコツやることが一番大切なんですね。