MAYAに搭載されているレンダラーである「Arnold」はフォトリアルなレンダリングができる優秀なレンダラーです。
レンダリングの設定色々といじることで様々な表現ができる様になるのですが、今回はその中のひとつである「被写界深度」の表現をしてみたので紹介します。
普段はほとんど使わないんですが、写真に近いようなピントのボケの表現をしたい場合には便利だと思ったので、普段写真を撮ったりするのが好きな方には馴染みのあるイメージのレンダリング結果になるので試してみると良いと思います。
Arnoldで被写界深度を設定してレンダリングする
上記は適当に作ったオブジェクトを配置してスカイドームライトでレンダリングしたものですが、背景のHDRI画像以外には綺麗にピントが合っています。
人の顔にピントを合わせたい場合や、料理などの食べ物の場合、主題にピントを合わせて背景はある程度ボカすとモチーフが引き立ってより見る人の視点を捉えることができます。
MAYAのArnoldでレンダリングする場合には、この背景部分などをボカす為に被写界深度というのを設定します。
被写界深度を表現するためにはカメラのArnold設定をする必要があります。
DOF設定をONにする
被写界深度を設定して背景などをボカしてレンダリングする用のカメラを作成したら、そのカメラのアトリビュートエディターを選んで設定していきます。
アトリビュートエディターの中の「Arnold」項目(結構下の方にあります)を開くと、Arnoldでレンダリングする時のカメラを設定ができます。
Arnold項目ではなく少し上の項目に「Depth of Field(=被写界深度)」というのがありますが、これはMAYAソフトウェア用のレンダラー設定の中の被写界深度設定項目なので、Arnoldでレンダリングする場合にはここを設定しても反映されなくなっています。
Arnoldでレンダリングする場合は「Arnold」項目を設定しましょう。
「Enable DOF」にチェックをすると被写界深度(=Depth of Field)を設定出来るようになります。
DOFを設定
今回はなるべくシンプルにボカしてみたいと思うので2つの項目を設定していきます。
Focus Distanceがいわゆる焦点距離というやつでして、カメラから被写体(今回の場合は歯車モデル)にピントが合う距離を設定します。
とりあえず今回は9に設定しました。
Aperture Size(絞りの大きさ)をいじるとボケ大きさを設定することができます。
より強く硬派ににボカシたい場合には数値を高めに設定していきます。
あまりボカシすぎてもノイズが出ると感じたので、今回は0.3程度にしておきました。
Arnoldで被写界深度の表現をするのに一番重要な項目はこの2つなので、色々と設定してレンダリングしてみてください。
奥の方の歯車を程々にボカしてみました。
料理やフルーツなどのモデルをレンダリングする際には程よくボカしてより写真っぽくすると良いと思います。
個人的には実際の写真を撮る時は被写界深度を設定して表現することもありますが、3Dソフトでのレンダリングでボカシたりなどは普段しないので、今後機会があれば深堀りしてみたいと思います。