美術解剖学を勉強すると人体の動きに関してより深い理解ができるようになります。
その理由は骨格や筋肉の動きを勉強することになるため、自然と人がどのように動いているのかについて考える習慣がつくからです。
しかし美術解剖学で人体の動きを学ぶ際にも専門用語が複数登場するので、この前提知識を知らないと勉強に時間がかかってしまいがちになります。
そこで今回は美術解剖学を勉強する際に登場する「体の動きに関する解剖学用語」について紹介します。
動きに関するものだけなので比較的簡単で、解剖学の勉強をする際によりスムーズな学習を進めることができるようになります。
-
【美術解剖学】人体の位置と方向を示す解剖学用語を解説
美術解剖学では体の各部の位置や方向を説明するためにあらかじめ軸を決めて、それを基準に位置や方向を説明することがよくあります。 人体は複雑な構造をしているので、決められたルールに従って方向 ...
続きを見る
こんな方におすすめ
- 美術解剖学の勉強したいと考えている方
- アニメーションに興味がある方
- 体の動きを勉強してイラスト制作やCG制作に役立てたい方
- 美術解剖学を現在勉強している方
【美術解剖学】体の動きに関して覚えるべき解剖学用語について解説
解剖学的に使われることが多い体の動きに関する用語は以下です。
- 内転(ないてん):体の中心軸に近づく動き
- 外転(がいてん):体の中心軸から離れる動き
- 屈曲(くっきょく):体を曲げる動き
- 伸展(しんてん):体を伸ばす動こき
- 回内(かいない):内側にまわす動き(手のひらを内側に曲げるときなど)
- 回外(かいがい):外側にまわす動き(手のひらを外側に曲げるときなど)
- 回旋(かいせん):回転する動き
- 内旋(ないせん):内側に回転する動き
- 外旋(がいせん):外側に回転する動き
動きに関する解説などを調べる場合には上記の用語を見る機会が多いかと思います。
この用語が筋肉などの名前についている場合もあります。
例えば足の内側にある筋肉には「〇〇内転筋」という名前がついていますが、これは足を中心軸に近づける動きをする際に使われる筋肉だからです。
動きを表現する用語について理解しておくことで、筋肉について勉強する際にどのような動きをするからこういった名前がついているといった感じに覚えやすくなります。
解剖学で出てくる固有名詞には覚えるのが面倒なものが沢山ありますが、大体は「どの部分にあるか」や「どのような動きをするか」などの組み合わせでできています。
つまり用語の意味を理解してから勉強することでより理解度と学習スピードが上がります。
体の各部位の動き
人体のパーツはそれぞれいろんな方向に動きますが、それぞれ大まかにどのように動くのかについてと動きに関する用語の使い方の例を紹介します。
頭部の動き
頭部は画像のように前面向かって「屈曲」し、後面に向かって「伸展」します。
わかりやすくいうと前に向かって首を曲げ、後ろに向かって首を伸ばします。
頸部の動き
頸部(首)は画像のように左右に「回旋」します。
また左右に「屈曲」「伸展」もします。
上肢の動き
上肢(左右の腕と肩)は画像のようにそれぞれ動きます。
肩は斜めに回ります。
また上腕は左右に回すように「回内」「回外」し、羽ばたくように体に近づいたり離れたりする「内転」「外転」の動きをします。
前腕もすこし斜めに「内転」「外転」し、「回内」「回外」します。
下肢の動き
下肢(両脚)の動きは図のようになっています。
大腿(大腿=ふともも)はそれぞれ「回外」「回内」し、「外転」「内転」もします。
また膝は「外転」「内転」の他に、曲げたり伸ばしたりといった「屈曲」「伸展」の動きもします。
足首は「屈曲」「伸展」し、足はそれぞれ内側外側に曲げるような動きである「内反」「外反」します。
まとめ
今回は美術解剖学を学ぶ際に必要になる人体の動きについての専門用語について紹介しました。
動きに関する用語ですがこの用語を応用した筋肉の名前などもあるので、動きについての用語を知ることでそれぞれの筋肉であったり骨格についての学習もよりスピーディーに進むかと思います。
▼解剖学オススメ書籍
-
【美術解剖学】筋肉の基本形状と構造を解説【イラスト】
キャラクターイラストを描く場合だけではなく、3DCGでのキャラクターモデリングなどをする際に前提となる知識で多くあげられるもののひとつが 「美術解剖学」ではないでしょうか。 ...
続きを見る