前回に引き続き解剖学の勉強スケッチを作成したのでそれを使いつつ解説したいと思います。
今回は人体の中心部分の骨である「脊柱」についてです。
脊柱の構造について
脊柱は首から背骨、骨盤にかけて人体の体幹に位置しています。
人間の体の中心にある重要な骨で、いうなれば人間の体の屋台骨のようなイメージですね。
細かい骨が組み合わさって出来ているので、把握するのが大変な部位でもあります。
脊柱は椎骨の積み重なり
脊柱は細かい椎骨という脊柱を構成している骨が積み重なって出来ており、その数は32~33個。
それぞれ
- 頚椎
- 胸椎
- 腰椎
- 仙椎
- 尾椎
に分けられます。
頚椎が7個、胸椎が12個、腰椎が5個、仙椎は5個となっていて、尾骨は3個〜4個あります。
頚椎が首の部分。
胸椎が胸の部分。
腰椎が腰の部分。
仙椎は骨盤付近ですね。
特徴的な部位ごとに名前がついているので比較的覚えやすいような気がしました。
部位ごとに少しずつ大きさも形も変わっていくのですが、ざっくりと覚えるのであれば
首、胸、腰、お尻の部分と分けてイメージすれば良いでしょう。
およそ4分の3が椎骨
脊柱全体の長さのおよそ4分の3が椎骨となっています。
残りの4分の1は椎間円板の合計です。
横から見るとS字に湾曲している
脊柱は前後から見ると直線的ですが、横から見るとS字カーブを描いているのが特徴です。
このS字構造によって重い頭を支えつつ二足歩行で歩くことができるわけですね。
また前部に出っ張って湾曲していることを前弯。
後部に出っ張っていることを後弯と呼ぶようです。
頚椎と腰椎は前弯。前面から見て凸の形をしています。
胸椎は後弯していますね。前面から見て凹の形をしています。
余談ですが、赤ちゃんが生まれたころはまだ脊柱全体の凹凸はハッキリしておらず、成長するにつれてしっかりと凹凸のカーブが出来てくるようですね。
よく赤ん坊の首がすわると言いますけど、あれは頚椎が前弯してきたことを指すのでしょう。
「あらま〜〜もう頚椎が前弯してきたわね〜〜♡(首が座ってきたね)」
的な感じですね。
まとめ
今回は脊柱の構造についてでした。
わかりやすく人間の外部にある骨ではないですが、一番内側の支えとなる骨ですし、
脊柱がどのような構造をしているのかざっくりと知っておくだけでも損はないのかなと思いました。
特にトルソーなどを描く場合、脊柱のS字カーブを意識して描くだけで絵に説得力がでるのではないかと思います。
今回は以上です。
▼美術解剖学オススメ書籍(CGをやりたい方向け)
▼美術解剖学オススメ書籍(イラストを描きたい方向け)
-
【美術解剖学】頭部の筋肉をイラストで解説
人間の筋肉の中でも一番目立つ位置にあるのが頭部の筋肉です。 特に頭部の前面にある顔の筋肉はキャラクターイラストなどを描く際やキャラクターのモデリングをする際に重要となる部分 ...
続きを見る
-
【美術解剖学】頸部(首)の筋肉をイラストで解説
人間の体の中でも特に重要なのが頭部ですが、その頭部の動きを司っているのが「頸部(首)」です。 頸部(けいぶ)には重い頭部を支えるしっかりした筋肉がいくつかついています。 体 ...
続きを見る