今回はSubstancePainter公式サイトのチュートリアルにある
「金属のペイントが削れたスマートマテリアル」を実際に作ってみました。
バージョンや使用モデルの違いとパラメーターの値は自分なりに調整したので公式とは若干違いますが、ペイントが削れた雰囲気のテクスチャを描きたい方の参考になればと思います。
バージョン情報
- 公式ページのバージョン▶︎SubstancePainter 2017.3
- 今回使用したバージョン▶︎SubstancePainter 2020.2.2
【SubstancePainter】ペイントが削れたスマートマテリアルを作ってみた
今回はSubstanceの公式ページに乗っていたチュートリアルの記事を参考にスマートマテリアルを作成していきます。
公式サイトの方ではバージョン2017を使っていますが、今回はバージョン2020で作成したためまったく同じには出来ませんでした。
試しにペイントしてみたい方はバージョンに注意して進めることをオススメします。
▼参考にした公式ページ
ベースのメタルレイヤーを作成
公式サイトではプレビュースフィアを使用していましたが今回はMeetMat君で作業を進めていきます。
Open Sampleからモデルを開いたら、通常レイヤーを削除して塗りつぶしレイヤーを作成します。
塗りつぶしレイヤーのPROPERTIESから金属っぽくなるように設定をします。
Metallicを1、Roughnessを0.3に設定してマットな金属っぽくしました。
金属の質感を追加
塗りつぶしレイヤーに金属の質感を追加します。
「Add fill」を追加。
Grey ScaleにGrunge Map 007を割り当てます。
「rough」と「nrm」チャンネルのみONにします。
次はレイヤーのチャンネルを「Roughness」に切り替えて
fill部分の合成モードを「Multyply」、不透明度を25%に設定します。
これで金属部分の下地のレイヤーは完成です。
若干ザラザラした感じの金属になりました。
ペイント部分のレイヤーを作成
次は金属の上にコーティングされたペイント部分を作成していきます。
塗りつぶしレイヤーを作成してBaseColorを変更。
MetallicとRoughnessの値を下げて、マットな質感に設定します。
「Add black mask」で黒いマスクを追加して、
マスクを選択した状態「Add generator」をクリック。
Generatorに「Mask Editor」をセットします。
Mask Editorにテクスチャをセット
Mask EditorのPROPERTIESの下の方にあるImage inputsの「Texture」部分をクリックします。
「Grunge Map 004」をセットします。
Curvatureを適用してエッジに効果が出るように設定します。
Curvature Opacityの値を1に変更します。
次はセットしたテクスチャが表示されるようにします。
Texture Opacityの値を1に設定します。
マスクにGeneratorのテクスチャが表示されてこんな感じに変化します。
Mask Editorのパラメーターを設定
Mask Editorのパラメーターを調整して細かい質感を表現していきます。
Textureの項目を開き、Scaleの値を調整して質感表現を細かくします。
さらにTriPlanerのモードを「True」に変更します。
画像のようにCキーを押してマスクの内容を表示しながら設定をしていくとわかりやすいです。
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グローバル設定を設定して、マスクのテクスチャのコントラストを上げました。
Global BalanceとGlobal Contrastの値を適宜調整して好みの状態にない様にします。
マテリアル表示に戻して確認するとこんな感じになりました。
まだ若干削れた感じが不自然な気がします。
Texture項目のBrightnessやContrastの値を調整してこんな感じにしてみました。
削れ部分がイメージに近い状態になるように部分的にパラメーターを上げたり下げたりします。
最後にマスクに「Add anchor Point」でアンカーポイントを設定しておきます。
削れた部分の凹凸レイヤーを作成
ペイントが削れた部分のマスクに凹凸の表現をしていきます。
追加で塗りつぶしレイヤーを作成して、「rough」と「height」チャンネルのみを表示して、パラメーターを設定します。
「Add black mask」で黒マスクを追加します。
マスクを選択して「Add fill」で塗りつぶしを追加
Fill部分のGreyScaleに先程作成したアンカーポイントをセットします。
するとこの様にペイントが剥がれた部分にリンクされて、凹凸が表現されます。
フィルターで微調整
凹凸部分をフィルターなどで微調整していきます。
マスクに「Add filter」でフィルターを追加します。
「Blur」フィルターをセットします。
ぼかしフィルターの強度を調整します。
ぼかしたフィルター部分のコントラストを調整します。
「Add levels」を追加。
レベル補正のパラメーターを調整してコントラストを調整します。
マスク内容を表示してわかりやすくしてパラメーターを調整します。
マスクにさらに「Add fill」を追加。
合成モードを「Multyply(乗算)」に変更します。
Fill部分のGreyScaleにアンカーポイントをセットします。
するとこのような表示になります。
凹凸部分やフィルター、MaskEditorの設定を全体的に調整してそれっぽい剥がれた雰囲気が出るようにします。
ここらへんからは好みになってくるので、イメージに近い雰囲気になればOKだと思います。
MaskEditorに2つ目のテクスチャを設定したり、Curvatureの設定を変更したりするのもオススメです。
レンダリング
全体的にペイントが出来たらレンダリングしてみます。
頭部のみレンダリングするとこんな感じになりました。
体や台の部分にもペイントを適用したいので、ペイントしたレイヤーをまとめてグループ化してスマートマテリアル化▶︎Instanceを作成しました。
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プレビュースフィアでレンダリング
作成したスマートマテリアルをプレビュースフィアに割り当ててレンダリングしてみました。
削れた金属の部分にサビを追加してそれっぽくしてみました。
公式のチュートリアル記事とまったく同じ雰囲気にはなりませんでしたが、なんとなくペイントが削れた雰囲気は出来たので今回はこれで完成にしました。
今回制作したスマートマテリアルはSubstancePainterのジェネレーターやフィルター、
アンカーポイントやテクスチャなどを豊富に使って作成しているので、基本機能の勉強やワークフローに慣れるためには意外と役立つと思います。
気になった方は是非この記事と公式ページを参考にチャレンジしてみてください。
参考ページ▶︎CREATING A PEELED PAINT EFFECT
▼Substance Painter初心者の方にオススメの教本
▼キャラクターのテクスチャペイントの参考になりそうな本(バージョンは古め)