こんにちは。
夏ワタル(@summering26)です。
鏡とかが入った鏡面反射が描かれたイラストって綺麗ですよね。
まるで鏡の中にもうひとつの世界があるかのよう映る反射は、イラストを更にリアルに美しく仕上げてくれます。
僕は見ているだけで癒やされるような鏡面反射のイラストを眺めているのが大好きなんですよ。
反射ってめちゃくちゃ映えますしね。
だがしかし、描くとなったら話は別です。
反射を描くのは難しいです。
特にパースが効いた人工物ならなおさらです。
今回はそんなパースの応用ということで、今までの反射の記事に引き続き鏡面反射の描き方について解説してみたいと思います。
具体的には「傾斜面を反射させて描く方法」です。
傾斜面を反射させて描く方法【パース応用】
傾斜面というと色々ありますが、今回はカンタンなスロープ的なオブジェクトを使って解説していきたいと思います。
傾斜面なので応用すれば階段などのオブジェクトも描けるんですが、超絶鬼めんどくさいのでカンタンで適当に描けるスロープで手を打ちました。
複雑な絵なんて勉強で描くの嫌ですよね?w
STEP①オブジェクトを設置
今回の例では傾斜したオブジェクトが画面に対して平行になっている状態で描いていきたいと思います。
まずは基本的な1点透視図でオブジェクトの底の面と反射面(鏡)を描きます。
1点透視図なので消失点(VP)はオブジェクトの中心の垂直線上のHLと重なる部分にあります。
今回も立ち位置(SP)を設定します。
これも1点透視図なので、オブジェクトのVPから線を下ろしてきた場所になります。
SPから65°の線をHLまで引いて重なる部分を反射面の消失点にして、GLまで引いて反射面を作ります。
STEP②オブジェクトの傾斜をつくる
次はオブジェクトの傾斜面をつくりましょう。
今回は20°の角度で傾斜を描いていくことにします。
オブジェクトが画面に対して平行になっているので、そのまま20°の角度にすればOKです。
STEP③反射したオブジェクトの消失点を見つける
反射面に反射したオブジェクトの消失点を見つけていきましょう。
まずは反射したオブジェクトの左側の消失点を見つけます。
反射面(鏡)の消失点を見つける時に使った65°のパースガイドから、同じく65°の角度に線を引き、
HLとつなげるとオブジェクトの左側反射面の消失点(VP)を見つけることができます。
反射をする時には入射角と反射角は同じ角度になるので(鏡面反射の場合)、この方法で割り出すことができます。
左側の消失点を見つけたらその消失点を使ってガイド線を引き、さらにそのガイド線に対して90°(直角)の線を引き、
それがHLに重なる部分が右側の消失点になります。
(今回は画面外にあります)
STEP④測点(MP)を見つける
次は傾斜面の反射の角度を見つけるための測点(MP)というのを見つけます。
測点はオブジェクトの反射左側の消失点(VP)とSPを結んだパースガイドのSPの部分を、
VPを軸にしてHLまで傾けた部分になります。
VPを基準にして、コンパスのように動かせば測点を見つけることができます。
STEP⑤測点(MP)を使って反射の中の傾斜を見つける
見つけた測点(MP)を使って反射面の中のオブジェクトの角度を割り出すための消失点=垂直消失点(VVP)を見つけます。
わかりにくいですがカンタンです。
MPから左方向に20°の線を引きます。
そして、オブジェクトの反射面左側の消失点から垂直に線を引きます。
2つの線が重なる部分が垂直消失点(VVP)です。
これを使うことで反射したオブジェクトの傾斜面の消失点を見つけることが出来るというわけです。(便利ですね!わかりにくいけどw)
STEP⑥反射している傾斜したオブジェクトを描く
ここまでで作成したガイドを使って鏡に反射したオブジェクトの傾斜面を描いていきます。
①オブジェクトの頂点を割り出す
傾斜したオブジェクトの頂点から反射面に向かって線を引き、さらに反射面に重なる部分からオブジェクトの反射のVPまで線を引きます。
②消失点からパースラインを割り出す
上記で引いた線の頂点を基準にしてオブジェクト反射面の右側消失点から線を引きます。
③傾斜のパースラインを割り出す
さらに測点(MP)を使って見つけた垂直消失点(VVP)からそれぞれのパースラインに重なる部分に傾斜のアタリになる線を引きます。
ここまでだいたい反射の中のオブジェクトの傾斜した面の形が見えてくるはずです。
STEP⑦ガイドを使って反射面の傾斜を描く
最後にガイドに沿って反射面の傾斜を描きます。
これで反射面の中の傾斜したオブジェクトの完成ですね。
オブジェクトを傾斜させる場合長方形を対角線で分割すればできるというルールも合わせて覚えておくと良いかと思います。
▼傾斜を描く方法の記事はこちら
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【パース】垂直消失点(VVP)を使って傾斜面を描く方法
こんにちは。 夏ワタル(@summering26)です。 僕は最近パースについての復習がてら記事を書いているわけですが、色々調べていると透視図法の応用で坂道を描く機会があり ...
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ガイド線などを消して完成です。
この方法を応用すれば階段などの反射も描くことが出来ます。
まとめ
今回は「パースに沿った傾斜面を反射面(鏡)に写したときの描き方」について解説してみました。
反射というだけで色々とガイドが増えてめんどくさい上に、更に傾斜したオブジェクトを描くというのはなかなか大変ですね。
実用性といった面で考えると中々使い勝手は良くないと思いますが、パースを勉強する上で反射や傾斜などはいずれぶち当たる壁なので、知っておく程度で良いかなと思います。
細かい角度の計算ばかりになってしまうので、イラストを描く際の楽しみみたいなものはあまり感じられないので、つまんないかもですね。
とはいえ使いこなせたら武器になることには変わらないので、実際に一度描いてみて試してみることをオススメします。
それではまた〜。