こんにちは。
夏ワタル(@summering26)です。
今回は前回の胸骨に一番深く関係する「肋骨」について解説していきたいと思います。
上半身でも広い範囲を覆っている肋骨ですが、内臓を守っている重要な骨です。
実際にスケッチをするのは物凄く大変でしたが、参考になれば何よりです。
肋骨とは?
肋骨とは内臓を保護するために胸の周辺の左右に平行についている骨です。
肋骨は左右に12本ずつあり、身体の前面にある胸骨と背面にある脊柱をつなぐように回り込んでいます。
胸骨に関節している部分は肋軟骨(ろくなんこつ)と呼ばれています。
前面から見た肋骨
胸骨を前面からみたスケッチがこちら。
胸の周囲を取り囲んでいる骨を合わせて胸郭(きょうかく)と呼び、胸骨と肋骨と胸椎で構成されています。
胸郭はカゴのような形になっていて、前後には平べったく左右には広い形状をしています。
全体は円錐形です。
肋骨は左右に12本ずつあり、第1肋骨〜第7肋骨を真肋(しんろく)。
第8肋骨〜第12肋骨を仮肋(かろく)といいます。
上の7本の肋骨は肋軟骨(ろくなんこつ)で胸骨と接続しています。
第8肋骨から第10肋骨は肋軟骨で結合していて、弓なりの肋骨弓(ろっこつきゅう)を形づくっています。
第11肋骨と第12肋骨は浮動肋骨(ふどうろっこつ)といい、浮いた状態で腹壁に独立しています。
胸骨と肋軟骨の間には胸肋関節(きょうろくかんせつ)があり、肋骨と肋軟骨の間は胸肋関節軟骨結合(きょうろくなんこつけつごう)といいます。
それぞれの肋骨間に11あるスキマのことを肋骨隙(ろくかんげき)といい、
この間には肋間筋(ろっかんきん)という筋肉が張っています。
背面から見た肋骨
肋骨を背面からみたスケッチがこちら。
後ろにあるのは脊柱ですが、胸部にあるものは胸椎(きょうつい)といいます。
胸椎から真肋(第1〜7肋骨)と、仮肋(第8〜12肋骨)が前方へ向かって湾曲しつつ覆っています。
背面からみると下の2本の部分だけが独立しているのがわかりますね。
これが浮動肋骨(ふどうろっこつ)です。
それぞれの肋骨の種類
肋骨は平べったい形状の細長い骨でカーブを描いています。
脊柱の方から3分の2が硬い硬骨で、胸に近い3分の1が軟骨です。
第1肋骨のスケッチ
第1肋骨を内側からみるとこんな感じになっています。
胸椎に近い肋骨頭(ろっこつとう)と肋骨頸(ろっこつけい)があり、
上部が肋骨結節関節面(ろっこつけっせつかんせつめん)です。
肋骨体(ろっこつたい)あたりから細くなっていき、肋軟骨関節面(ろくなんこつかんせつめん)で肋軟骨と関節しています。
第2肋骨を上から見たスケッチ
第2肋骨を上からみるとこんな感じ。
胸椎から弓なりに湾曲しているのがわかりますね。
肋骨頭(ろっこつとう)から始まり、凹んだ部分の肋骨頸(ろっこつけい)。
肋骨結節関節面(ろっこつけっせつかんせつめん)があり、肋骨体付近から内側に湾曲していき肋軟骨へ繋がっています。
第2肋骨を下から見たスケッチ
第2肋骨を下から見るとこんな感じになっています。
下側には肋骨のあるみぞである肋骨溝(ろっこつこう)が通っています。
第7肋骨下から見たスケッチ
第7肋骨を下から見るとこのようになっています。
肋軟骨付近にいくにつれてより細く長い形状をしています。
第7肋骨内側から見たスケッチ
第7肋骨を内側からみたスケッチです。
よこから見るとこちらがわに肋骨頭の面が見えますね。
また下部には肋軟骨との接続面が見えます。
まとめ
今回は肋骨についてスケッチしつつ解説してみました。
内臓を守るために覆うようにして背中から胸部へと繋がっている肋骨は、パッと見は分かりづらいですが皮膚のすぐ下にある部分も多いです。
なので、上半身の作画をする際に大まかにどの様な形状なのか知っておくと良いのではないでしょうか。
ちなみによくミスをしがちなウエストの位置ですが、肋骨の下の部分から始まっているので、
肋骨の位置を正確に知っておけばウエストが変にならずに描けるようになるかな〜と個人的には思いますね。
肋骨について覚えておくべきことをまとめると
ポイント
・肋骨は左右に12本ずつある
・上から7本目までは真肋
・下の5本は仮肋
・胸骨に繋がっている部分は軟骨
・胸椎に繋がっている部分は硬骨
・一番下の2つだけ独立している
・胸骨と肋骨と胸椎を合わせて「胸郭」
肋骨に関しては以上を覚えておけばイラストを描くには十分だと思います。
今回は解剖学のスケッチの中でも一番大変な部類に入る難しいものだったので、実際にスケッチしてみることは絶対にオススメしませんww(嫌でもおぼえられますけどね)
でも描いてみるだけで頭に入るとは思うので、気が向いた方は是非やってみてください〜。