こんにちは。
夏ワタル(@summering26)です。
皆さんはイラストを描くときに重要な要素であるパース(パースペクティブ)についてしっかり知っていますか?
パースというと建築業界で多く使われている言葉だというイメージがあると思いますが、イラストを制作する人の中では避けても通れない言葉です。
パースとは?
パース=パースペクティブ(Perthpective)の省略形。
「透視図法」や「透視法」または「線遠近法」などといった呼び方があります。
近くにあるものが遠くにいくに従って小さくなっていくような法則をわかりやすく線で表したもの。
僕が最初に絵を描き始めた時はパースの知識なんか全くありませんでした。
というかそもそもパースという言葉自体を知りませんでしたw
「建築に関する知識なんか無くて絵くらい描けるようになるだろう。」
そんな風に高をくくっていました。
しかし、絵を描く人のほとんどがいずれ到達する壁。
それがパースです。
イラストに関する情報を集めると絶対パースに関する情報にたどり着くんですよね。
特に背景を描いているひとなら嫌でもやるはめになります。
しかし、難しすぎて挫折する人も多いのではないでしょうか。
僕も一度挫折したことがあるのですが、やはり副業でイラストレーターをやっていると必要になる知識なんですよね。
なので今回からは僕自身の復習も兼ねて、パースについて不定期で記事を描いていきたいと思います。
パース初心者のひとにもできるだけわかりやすいように、短めにさくっとパースに触れることが出来るような内容にしていきたいと思っています。
ぜひこの機会にパースに対するニガテ意識をなくして、パースを好きになってもらえたらと思います。
パースペクティブとは?イラスト制作時に知っておきたい基本知識を解説
パースって難しいイメージありますよね。
実際に難しいですw
専門用語もたくさんありますし、おぼえることがたくさんあって最初のうちは混乱してしまうと思うので、
この記事では簡単な概要を紹介して、別記事で一つずつ解説していけたらなと思います。
厳密なパースに沿ったイラストを描きたい場合でなければ、サクッと基本的なことだけ知っておけば十分ですし、
知識欲の強いひとは更に細かい記事を読んでいっていただければと思います。
パースの基本は3種類
まずはパースペクティブにはどんな種類があるかについて。
パースは建築物などの大きな物に加えて、小さな家具や小物、鏡面反射や影などにもついていますが、
まずは基本的な3つの種類を覚えておくと良いです。
基本形なので、そこまで難しくはないですし1日勉強すれば覚えられると思います。
1点透視図法
まずは「1点透視図法」
これが1番基本的なパース図法である一点透視図法です。
「1点平行透視図」ともいいます。
物体が遠くに離れていくにしたがって、線が消失点(VP)に向かっていきます。
消失点は画面をみている人の目の高さに位置していて、地平線(HL)のどこかに設定されます。
1点透視が成り立つには条件が3つあります。
- ひとつの面が地面と平行であること。
- ひとつの面がこちらの視点と平行であること。
- ひとつのめんが地面と垂直であること。
上記の3つの条件をみたしていれば一点透視図法が成立します。
簡単にまとめるとこちらを向いている面は平行で、縦の線は垂直で、点線の部分は遠くにいくに従って消失点に向かっていく。
それが一点透視図法です。
2点透視図法
次に「2点透視図法」
パースの中で二番目に有名なのが、2点透視図法です。
2点平行透視図とも言います。
最大の特徴は左右にVP(消失点)が2つあり、奥行きによって違う変化をする辺が2つあるということです。
2点透視図法にも条件(というか特徴)があります。
- ひとつの面がこちらに向かって45°の対角面になっていて、地面(HL)と垂直だということ。
- ひとつの面が地面と平行で、こちらに向かって45°の対角面であること。
以上の2つが当てはまっていたら2点透視図法だと考えて良いです。
縦の辺は地面に対して垂直で、左右の奥行きを表す辺が45°曲がって消失点まで向かっていくという形です。
消失点を2つとらないといけない分、めんどくさくて作画ミスしてしまうことが往々にしてありますが、
まだわかりやすい部類ですね。
立体感と奥行きわかりやすく表すことが出来るので、これをおぼえるとそれっぽい絵が描けるようになるはずです。
室内などの背景イラストはほとんどが1点透視か2点透視で描けるはずなので、マスターは必須ですね。
3点透視図法
3点平行透視図とも言ったりしますね。
省略して3点透視というのが一般的です。
ここから一気にめんどくさくなって来るのですが、いろんなイラストをみていると頻繁に出てくるので、1点透視図法と2点透視図法の軽い応用として理解しておく必要があります。
わかりやすい特徴としては消失点が3つあることです。
3つの消失点を使った透視図=3点透視というわけです。
右側の辺の奥行きを表現する消失点と、左側にある奥行きを表現する消失点。
さらに高さを表現する辺の消失点。
3点透視にも細かい特徴があります。
- ひとつの面(高さを表す部分)がこちらに向かって角度をつけて傾いていること、地面に対して垂直なこと。
- ひとつの面が地面(HL)と平行に面していて、こちら側からみると傾いていること。
- 見上げる視点になるほど消失点が上になる。
- 見下げる視点になるほど消失点が下になる。
大体こんな感じになります。
箱の底の部分は地面に対して平行になっていて、こちら側からみると角度をつけて見上げているから消失点に向かってのパースがよりかかっていく。
また箱の側面には地面に対して垂直で、こちら側から角度をつけてみている(見上げている)ので、左の方の消失点に向かってパースがかかっていく。
ざっくり説明するとこんな感じでしょうか。
ちょっとめんどくさいですが3つ消失点をとって、高さ×幅×奥行きにそれぞれ割り当てて遠近感を表現してみた……みたいな感じに考えていただけると良いかもですね。
説明しててちょっと頭がこんがらがってきたので、この辺にしときます笑
基本はこの3つを覚えておけばOK
以上で紹介した3つを最低限抑えておくとパースの基礎が分かりますし、ある程度は応用が効くので様々なイラスト制作に活かすことが出来ます。
人口物などには基本的にパースが効いているのがわかりやすいので、普段の生活の中で観察してみるのがオススメ。
街中のビルや、レストランの中や自宅など様々な場所でパースを確認する事が出来ますし、
これは1点透視だなとか、あれは三点透視に見えるなみたいな感じで意識してみると楽しく理解出来るかもです。
まずはこの3つをマスターしたらあとは楽になるはず!
まとめ:まずはニガテ意識を捨てよう
今回はパースとはどういうものかについて軽く紹介してみました。
物凄く難しくて、大変なイメージのあるパースですが、一つづつ理解していけば最低限は使いこなすことができると思います。
僕もまだ熟練のパース使いではないのですが、パースを多少使えるようになると仕事の幅が広がると感じています。
特に背景イラストを描きたい人は必須の知識ですし、ある程度時間を描けて学んでおくと今後のイラスト制作にも有益です。
今後はパースについて少しずつ記事を出していく予定なので、そちらもぜひごらんください!
それではまた〜。
▼おまけ
パース関連名称
- Perthpective = パースペクティブ(透視図法) (透視法) (線遠近法)
- CV(Center of Vision) = 視点の中心
- CVA(Center Vertical Axis) = 中心垂直軸
- EL(Eye Level) = 目の高さ(アイレベル)
- GL(Ground Line) = 地上線
- HL(Horizon Line) = 水平線
- MP(Measuring Point) = 測点
- PP(Picture Plane) = 画面
- SP(Station Point) = 立ち位置
- VML(Vertical Measuring Line) = 垂直側線
- VP(Vanishing Point) = 消失点
- VVL(Vertical Vanishing Line) = 垂直消失線
- VVP(Vertical Vanishing Point) = 垂直消失点