こんにちは。
夏ワタル(@summering26)です。
皆さんはパース使ってますか?
1点透視図や2点透視図などは人工物を描く際にはピッタリですよね。
パースに関しての記事を色々と書いてきましたが、パースはものの形状だけにとどまらず様々な表現にも応用可能です。
今回はパースの応用ということで、「パースによる光と影の表現」にフォーカスして解説してみたいと思います。
単一平行光源で光と影を表現する方法【パース応用】
パースはものの遠近感を表現するためには必須のツールだと思いますが、陰影を表現するためにも使えるんですよね。
例えばなにかオブジェクトを描いたとして、
イラストとして仕上げるのであれば「光と影」を表現できるとなお良いですよね。
2点透視図法などを使って遠近感を出すのは必要最低限として、
オブジェクトに当たった光やオブジェクトから落ちた影の表現があれば、イラストにさらに奥行きや立体感、空気感といったものが生まれます。
オブジェクトに光が当たると影が生まれる
影の濃さや向きは光源(光が発生しているところ)の位置や個数にとよって様々に変化します。
その前に陰影を表現するために知っておくべきなのが「影」と「陰」についてです。
合わせて陰影と呼びますが、それぞれはおなじ「かげ」でも厳密には違うものです。
オブジェクトの光が当たっていない暗くなっている部分が「陰」別名Shade(シェイド)と言います。
オブジェクトによって光が遮られることによって、下に落ちるのが「影」別名Shadow(シャドウ)といいます。
主にこの影(Shadow)がパースに沿ってどのように落ちるのかについて解説していきます。
単一平行光源(画面に平行な光源)で影を表現する
今回は影パースの導入編ということで、一番シンプルでわかりやすい「単一平行光源」を例にしてみます。
「単一平行光源」とは光源(ここでは太陽)が単一(ひとつ)であり、こちらが見ている画面(PP)と平行になっている時の光源の名称です。
光源にもパースがかかっており、影の形状と長さはオブジェクトの角や辺を通る光と地面との交差する部分で決まります。
今回はこの単一平行光源を使っていきたいと思います。
まずは適当にオブジェクトを配置
立方体でも球体でも何でも良いと思います。
あえてそれぞれ違う消失点(VP)を使ってみるのも良いかも知れませんね。
まあなんでも良いってことですw
光源を決めて光線のパース線を引く
次は光源の位置を決めます。
今回は一番安定感があると言われている「左上光源」で配置してみました。
配置しているといっても画面(PP)には入っていないので見えないんですが、太陽の様な広範囲な光源をイメージして光線の角度を同じにします。
今回は45°くらいにしてみました。
好きな光源で実験的に描いてみても全然OKです。色々やってみてください。
光源が決まったところで、光線のパース線のアタリを引いていきましょう。
パースにそって影を引く
光源のパース線が決まったら、今度はそれぞれのオブジェクトが影の消失点に向かっているパース線に沿って、影の辺にあたる線を引きます。
その次に光線がオブジェクトの頂点を通り、地面のパース線と交差する部分にも影の線を引きます。
普通のパースに加えて光源のパースとオブジェクトのパース、オブジェクトの角度まで考えないといけないんですが、
この記事を読んでいる皆さんはパースなんてカンタンに使いこなせてると信じてるので大丈夫だと思いますw
最後に影を作って完成
最後にここまでで引いた影の線に沿って影(シャドウ)を作って完成です。
それっぽい影を描きたい場合はオブジェクトに近い部分を濃く、離れている部分を薄く描くとそれっぽさがでます。
まあ今回のは練習なのでベタ塗りでも全然OKです。
陰影を描くことによって光が当たっている感を表現できるので、透視図によって奥行きが出ているものに更に立体感が追加されますね。
ここまでの内容になってくるとグッとイラスト制作に活かせるようになるはずです。
僕も実際にイラストの仕事をしているときも陰影については気を配ることが多いので、今回の記事は割と実践的だと思います。
まとめ
今回は「単一平行光源」を使って陰影を表現する方法について解説してみました。
デッサンなどでも頻繁に出てくる内容なので知っている人も多いかもしれませんね。
パースに沿った陰影の描き方をマスターすればグッとイラスト制作の幅が広がりますし、影の使い方がうまくなると更にそれっぽさが出てくるので、勉強しておくのは超オススメです。
ただ少し難しくなってくる部分も多いので、パースに関してしっかり使いこなせるようになってから勉強するのが良いかもですね。
影パースについて理解が深まるとデッサンやデフォルメなどにも応用が効きますし、良いこと尽くめですよ!