こんにちは。
夏ワタル(@summering26)です。
皆さんはアイソメトリック図法って聞いたことありますか?
「あ〜、アイソメね」
みたいな感じでなんとなく名前だけは知ってるって人が多いと思います。
今回はパースについて勉強している人は必ず知ることになる図法、
アイソメトリック=等角投影図について解説してみたいと思います。
アイソメトリック(等角投影図)とは?
アイソメトリック図法とは「平行投影図」と呼ばれるパース図法のひとつです。
上から角度をつけて全体を眺めるようにみることが出来る(俯瞰)図の描き方で、建築分野のひとがよく使う手法です。
平行投影図とは?
平行投影図には物体の形をシンプルに表現することができる図法で、アナログでも普通の定規と三角定規があれば簡単に描けてしまいます。
平行投影図のポイント
- 消失点がない。
- 現実で平行な線は平行投影図でも平行に描く。
- それぞれの面が直角に合わさった(正方形の様な)物体には3組の平行線しかない。
アイソメトリック図のポイント①
アイソメトリック図の特徴は1点透視や2点透視図と同じように立体的な図です。
しかし普通にパースと違うのが3つの面の角度が決まっているということ。
この図は正方形の立体物(のつもり)ですが、水平線に対して左右にそれぞれ30度の角度がついています。
縦の線は垂直で、それぞれの面の角度を30度にできれば良いので、三角定規と直定規があれば描けるというわけです。
アイソメトリック図のポイント②
またこの図で描いている箱の絵は立体物で、3つの平面が直角に合わさってできています。
そして、水平線に対して角度が等角についているので、箱の内側の角度も決まっています。
直角が90度なので、箱の内側の面は60度になります。
(対角線で割ると30度)
なので画像の角度でみた箱の上部、右側面、左側面の頂点部分の角度は120度ずつということになるわけです。
(円は360度なので)
デメリット:消失点(VP)が無いので歪んで見える
角度が決まった平行な投影図を簡単に描くことができる「アイソメトリック図法」ですが、デメリットもあります。
それは消失点(VP)が無いので、奥行きを表現できないという点です。
人間の目は奥行きを感じて見ること(つまりパースで見ることに)に慣れているので、
アイソメトリックで奥の長さを表現しようとするとどうしても歪んで見えてしまいます。
アイソメトリックは等角なのでまだマシですが、不等角投影図(アクソノメトリック図法)とかになってくると更にゆがみが顕著に見えてきてしまいます。
普通に立体物を見ていたら遠くに離れていくほどにちいさくなっていくというパースの法則に反しているので、こういう風に見えてしまうわけですね。
パースを意識せずに簡単に描けることはメリットなのですが、こういったデメリットもあります。
まとめ
今回は平行投影図のひとつ「アイソメトリック図法」について解説してみました。
アイソメトリック図法のポイント
- 消失点が無い
- 水平線に対して角度が30度
- 内側の角度が60度
- 頂点部分の角度が120度
- 奥行きを伸ばすと歪んで見えるデメリットがある
- 三角定規があれば簡単に描ける
- 消失点が無く、パース線を意識しなくても良いので楽
三角定規さえあれば簡単に描けて、全体の構造をみることが出来るアイソメトリック図法ですが、
一枚絵としてこの図法を使うのは少しむずかしい気がしますね。
でも箱庭系などのデフォルメされたイラストとはとても相性が良いので、意外とよく見かけます。
機会があればぜひアイソメでイラストを描いてみてください。
簡単で頭を使わなくて良いのでとても楽ですよ!