こんにちは。
夏ワタル(@summering26)です。
パースの勉強が進んでくるといざ実践となりますよね。
しかし実際に描いていると気づくんですが、実際にイラストにパースを使う時に必要になってくるのが
「中心を把握する」ことだったりします。
建物の内観とか部屋とかにはいろいろなオブジェクトがありますよね。
たとえばタンスや机、棚などの家具です。
また扉や窓なんかもありますよね。
こういった人工物を描いたりするときにはどこが中心で、どの様に分割しているのかについて把握しておくと、
とても作業が楽になるからです。
そこで今回はパースを使った作業の中でも意外と重要な「中心線を割り出す方法」について解説してみたいと思います。
対角線を応用して、中心を割り出す方法
1点透視図や2点透視図でイラストを描く時に、物体の中心を割り出す方法。
それは「対角線」を使うことです。
結論からいうと対角線を使うだけで大概の中心線を見つけ出すことができます。
対角線を使うと四角形のオブジェクトを分割したり、逆に増やしたりすることができます。
意外と便利(というか必要不可欠)なこの方法を覚えてぜひイラスト制作に活かしてみましょう。
対角線の機能とは?
対角線にはパースなどの透視図法を描く時に便利な機能がいくつかありまして、
それを使いこなすことでより自由度の高い作画が出来るようになります。
パースに関する基本的なルール(法則)ですが、どのような四角形でもふたつの対角線はかならず中心で交差するということが決まっています。
正方形でも長方形でもこれは同じなんですね。
つまりあまりにもトリッキーな形で無い限り、中心を見つけることはカンタンで、
中心のバランスが崩れてしまうことによる作画ミスもなくなると言うこと。
しかも立面図や平面のときだけではなく、実際に1点透視図や2点透視図で描いたとしても、
パース線が効いている時にも応用可能なのです。
対角線を使って長方形のオブジェクトを分割する
それではまずは長方形のオブジェクトを対角線を使って応用してみましょう。
1、まずは長方形のオブジェクトを1点透視図で作り、対角線を引く
そしてそのオブジェクトの対角線を結びます。
2、対角線が交差する部分に垂直線を引き、2等分する
次に対角線を結んで交差するところに線を引きます。
これが分割線でオブジェクトの中心になります。
3、さらに2等分する水平線を交差する部分に引く
次に交差した部分から割り出した分割線からVP(消失点)まで線を引きます。
これで縦軸の分割が完了します。
つまり、4分の1に分割できたと言うことですね。
4、繰り返して無限に分割可能
あとは今までの工程を更に小さく繰り返していきます。
一度分割して中心を把握してしまえば無限に小さく分割することが出来るようになります。
以上、終わり!!
THE シンプルですね!
(ただし問題はこのやり方だと2の乗数しか分割できないということです)
対角線を使って長方形のオブジェクトを追加する
次は対角線を使って、同じ様なオブジェクトを追加する方法です。
1、長方形のオブジェクトを1点透視図で作り、対角線を引いて中心をみつける
今度は分割で最初にやったように対角線を引きます。
そして、VPにそって縦軸の線を引きます。
2、角から辺の中心を通った線を引き、元の長方形の倍の長さの辺をつくる
今度は手前側の対角線から辺の中心部分を通ってVPに交わる部分まで線を引きます。
これが新しい辺になります。
3、2でつくった辺を利用して、新しい長方形のオブジェクトつくる
次は上記で作った辺を利用して新しいオブジェクトをつくります。
こんな感じで奥にもうひとつのオブジェクトが完成しました!
4、3までで作った長方形に斜線を引いて、さらにオブジェクトを追加していく
上記を繰り返すことによって、理論上無限にオブジェクトを追加することが出来ます。
ただデジタルで作業する場合は実際にこの手順を踏む必要は無く、最初に平面図に描いたものをパースに合わせて自由変形するほうが効率的だったりします。
まあここらへんは好みで対応していきましょう。
まとめ : 分割線を覚えてパースを使いこなそう
今回は「対角線を使ってパースの中心を割り出す方法」について解説しました。
実際の家具やインテリアなどもこの対角線をうまく使えばバランス良く描けるようになるはずですし、
中心がわかるようになるだけで全体のバランスが整って見えるようになります。
対角線を使って分割する方法まとめ
- 対角線を結ぶと中心部分を把握することができる
- 中心部分を把握すると更に小さく分割することが出来る
- ただし2の乗数しか対応できない(3分の1などは無理)
- 分割線を使えば、オブジェクトを追加することも出来る
最近はデジタルで中心線を割り出すことはカンタンですが、このやり方を知っているとわざわざデジタルツールを使わなくても作画出来ますし、アナログでの表現しやすくなります。